Flashpoint: Golan (VG)

精密な現代機甲戦
Precise Modern Armored Warfare

Flashpoint:Golan。

なんと美しいゲームタイトルでしょう。

ゲーム開始と同時に、個々のルールが精密な機械のように動き出す「Flashpoint: Golan」は、「ハンツァーブリッツ」「パンツァーリーダー」「(VG)パンツァーコマンド」に次ぐ機甲戦ゲームの決定版としてMark Hermanがデザインした製品です。 箱の中には、ゴラン高原の精密なマップと、たくさんの機甲旅団ユニットが入っています。

架空の第五次中東戦争をテーマにしたこのゲーム、もともとは「Condition:Red」というタイトルで、NATOとワルシャワ条約軍の機甲戦を描く製品になるはずでした。しかし、1989年のベルリンの壁崩壊によって企画は中東に移され、1991年に「Flashpoint: Golan」として発売されたのです。

ゲームシステム
通常のウォーゲームでは、自軍ユニットを敵ユニットに隣接させた時点で戦闘が始まりますが、「Flashpoint: Golan」では、隣接する前にどれだけ敵ユニットに損害を与えるか、が重要になります。

無傷で敵ZOCに入ることは不可能です。マップ上のどこであれ、1ヘクスでもユニットが移動すると、双方の砲兵が弾切れになるまで撃ち合いをはじめます。結果的に、移動ユニットには掩護となる対砲兵砲爆撃能力と司令部支援が必要になります。

近代戦の特有の縦深を持つ戦場を表現するため、15種類の戦闘支援システムが移動ルールと連動しています。電子戦、対砲兵砲爆撃、SRBM、巡航ミサイル、地上攻撃機、攻撃ヘリによって、「Flashpoint」の陸上部隊はFLOT(最前線)に到達する前に攻撃にさらされます。
ルールはやや複雑ですが、ゲームデザイナー自身がルールブックの「プレイの例」で間違えているくらいなので、細かいことは気にしないのが吉というべきです。

"Flashpoint:Golan"

What a beautiful game title.

Flashpoint: Golan is designed by Mark Herman to be the definitive armored warfare game after Panzer Blitz, Panzer Leader, and (VG) Panzer Command, with the individual rules moving like precision machines as soon as the game starts. Inside the box you will find a precise map of the Golan Heights and a large number of armored brigade units.
The game, based on the hypothetical Fifth Middle East War, was originally titled Condition:Red and was supposed to be a product about armored warfare between NATO and Warsaw Pact forces. However, with the fall of the Berlin Wall in 1989, the project was moved to the Middle East, and was released in 1991 as Flashpoint: Golan.

Game System
In a conventional wargame, a battle begins when you place your units adjacent to an enemy unit, but in Flashpoint: Golan, it is important to know how much damage you can inflict on enemy units before they are adjancet to.

It is impossible to enter an enemy ZOC unscathed. If a unit moves even one hex anywhere on the map, both sides' artillery will start shooting at each other until they run out of ammo. As a result, mobile units need anti artillery bombardment capability and command support to provide cover.

Fifteen different combat support systems are linked to the movement rules to represent the unique vertical depth of the modern battlefield. Electronic warfare, anti-artillery bombardment, SRBMs, cruise missiles, ground attack aircraft and attack helicopters expose the ground forces in Flashpoint to attack before they reach the FLOT (front line).
The rules are a bit complicated, but the game designer himselves even made mistakes in the "Examples of Play" section of the rulebook, so it may be a good thing not to worry about the details.

ディープバトル (ルールブックから)
戦史における戦法の推移は、重火器の威力とその運搬力の向上、および変遷として見ることができる。
重火器の機動性がきわめて悪かった第一次大戦では、戦争は防御側に有利なものだった。いわゆる塹壕戦に代表されるように、戦いは陣地を構築した防御側が有利であり、陣地を攻める攻撃側に多大の犠牲が生じた。第一次大戦後期に、戦車が重火器の移動手段として開発されたが、この時の戦車は未発達なものだった。

戦車の性能が発達した第二次大戦では、戦場のイニシアチブは攻撃側に移った。ポーランド、フランスにおけるドイツ軍の緒戦の電撃戦による勝利は、航空部隊による近接航空支援と機甲部隊による縦深突破によるものだった。対地爆撃力と機甲部隊の能力向上が、塹壕戦を過去のものにした。

現代戦においては、航空機と衛星技術の発展により、先制攻撃の破壊力が飛躍的に増加した。接敵前にどれだけ敵を叩くかが、戦いの趨勢を決定づけるものとなった。
たとえば、1991年の湾岸戦争においては、アメリカ軍は、戦争前の4週間の戦略爆撃によって、イラク軍の指揮系統と補給システムに壊滅的な損害を与えた。これは双方の地上部隊が接敵する前に出た戦果だった。
戦闘前の準備射撃、縦深突撃などの概念は新しいものではないが、戦場監視能力と長距離爆撃力の向上によって、前線は線から100km近くの深さを持つ面になった。


バリアント
ゲーマーによる多彩なバリアント・ルールがGeek、Consimで公開されています。
「(VG) Flashpoint」のルールで(SPI)セントラルフロントシリーズをプレイするハウスルールは以下の通りです。

Variants
A variety of variant rules by gamers are available on Geeks and Consim.
The house rules for playing the (SPI) Central Front series using the (VG) Flashpoint rules are as follows.

「Condition: Red」house rules, ハウスルール(auther unkown)

Dan Stueber氏によるハウスルールlのルール明確化(pdf)

 


対戦記録
R ecords of a games

ルール解説
Explanation of the rules

日本語版ルールブックについて

Flashpoint: Golan (VG) ルール明確化

Flashpoint: Golan (VG) 早見表

ゲームエイド (pdf)

General Volume 28 Number 1に掲載された「Flashpoint: Golan」のエラッタと記事

Mark HermanのQ&A

FlashPoint Rules (in English, PDF)

FlashPoint Scenario (in English, PDF)

FlashPoint Log Sheet (in English, PDF)

 


見ているだけで感動できるマップ