FALKLANDS SHOWDOWN 1982
#269 June 2011

最後の"植民地戦争": フォークランド

74日間続いたフォークランド戦争は、1980年代の国際社会に軍事紛争と情報収集について新しい概念を与えた。
南大西洋の吹きさらしの島をめぐって戦った両軍にとって、この戦争は結果的に、自軍の軍事力をこれまで不可能だったレベルまで評価する機会となり、それゆえに世界中の政治家や軍人からも注目された。

フォークランド戦争は、イギリス軍とアルゼンチン軍の長所と短所を白日の下に晒した、おそらく最後の"植民地戦争"である。

政治
戦争をはじめた当事者国の視点から、フォークランド戦争が何によって始まったかを考えることは重要である。NATOの主要国であるイギリスは、軍事力を投入するべき紛争はヨーロッパ以外にありえない、と考えていた。
一方、アルゼンチンは、歴史的に無秩序な政治情勢を経て、1981年の軍事クーデターによって政権が誕生、南アメリカにおける権力を確立したばかりだった。

全面戦争にはならなかったものの、両国はもっとも優れた部隊と兵器をフォークランド戦争に投入した。数に違いはあるものの、双方とも世界でもっとも殺傷力のある通常兵器を装備していた。いずれの国も国民は戦争を文化的、政治的に支持し、戦争が進行して被害が報道されると、感傷的なムードが生まれた。

イギリスは、戦略的、作戦的なすべての面で優れていたため勝利できた。いくつかの小さな戦術的例外を除いて、イギリス軍は準備、リーダーシップ、偵察、攻撃性、装備の配置、個人レベルでの戦意においてアルゼンチン軍を凌駕していた。

付録ゲーム「Falklands Showdown」
陸上戦と海上戦を同時に扱うゲームをデザインすることは容易ではなく、フォークランド戦争の場合、政治的ファクターがさらにデザインを複雑にする原因となる。幸いにして、"Red Dragon Rising"システムを引用することで、スムーズにシミュレートすることができた。
同システムの流用によって、近代戦の四つの側面、すなわち空、陸、海上、潜水艦戦における各ユニットを数値化、作戦単位のゲームシークエンスによって、異なる兵科の相互作用を表現する。
プレイは"インタラクティブ"であり、各プレイヤーが1作戦を交互に行うことでゲームは進行する。プレイヤーが使うことのできる作戦数は限られており、これはコマンドコントロールの限界を表している。アルゼンチン軍のコマンドコントロールは貧弱であり、イギリス軍のそれは優れている。

アルゼンチン軍は、ステルス性能を持つシュペルエタンダール艦上攻撃機を持つが、使用できる回数は限られている。特殊部隊ユニットは、その地域に展開する通常の地上部隊の戦力を上げる。

 

皮膚の病、心臓の病: 1916 - 28、中国再統合の戦争

中国軍閥の時代は、日清戦争(1894)および義和団の乱(1900)で清朝が西欧諸国の侵入者に敗れた時からはじまる。この二つの敗退は、清朝の政治的正当性を弱めたと同時に、清朝が西欧から軍事アドバイザーを導入し、先進国に軍事研修団を派遣するきっかけになった。軍の下士官は西欧社会の影響を受け、多くの場合、急進的な思想を持った。

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イギリスのチベット侵攻: 1904年

それまでの50年間、イギリスとロシアは中央アジアで、今日で言うところの"冷戦"を続けていた。イギリスは、19世紀末のロシアの南下政策がイギリス領インドの脅威になると考え、アフガニスタンの"保護"をめぐって数次の遠征を行っていた。"グレート・ゲーム"と呼ばれたこの対立の最終ラウンドは、チベットだった。

1904年のイギリス軍の遠征隊とチベット軍の戦いが図解入りで5ページの記事になっています (イギリス軍負傷者数名に対し、チベット軍死傷者は1,000名以上だった)。この紛争では、イギリス軍が首都ラサに進駐、ポタラ宮殿を占領してラサ条約を締結しており、ダライ・ラマ13世はモンゴルに逃亡している。

分析: ハッティンの戦い

1187年の中東における十字軍国家の戦略目的は、もし彼らの気難しいリーダー達が賛成したならばだが、その小さな常備軍は、野戦に投入するよりも防衛陣地を築くことに置くべきだった。実際のところ、イスラムのリーダー・サラディンの登場と1174年のエルサレム国王アモーリー1世の死以来、十字軍のリーダーシップは内部的な不和によって定期的に乱れ、その編成は歩兵に重点を置いた防衛主体のものになっていた。中東の十字軍には、外部からの援軍なしで機動戦を行ったり、追撃戦を行う能力はなかった。

エルサレム王国を崩壊寸前まで追い込んだハッティンの戦いを8ページの記事で解説。
この戦いは、大幅に事実を変えて、2005年のリドリー・スコット監督「キングダム・オブ・ヘブン」で映画化されています。

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