背景
米中関係の歴史は、難解であると同時に循環的であると言うべきである。第二次大戦中、アメリカは日本と戦うために共産党のリーダー毛沢東と密接な関係を持ち、重要な軍事作戦(複数)を行った。しかし、蒋介石率いる国民党とより強固な関係を持っていたアメリカは、戦後に毛沢東との接触を絶ち、国民党を全面的に支持した。
中国共産党が内戦に勝った時、アメリカと共産党との外交接点は皆無であり、1949年、中華人民共和国は西側諸国に対し、あからさまな敵意を示した。
1950年の朝鮮戦争では、ソビエトは北朝鮮を支持した。北朝鮮の計算された賭けは、アメリカと国連が参戦したことで失敗に終わり、連合軍は鴨緑江まで達するほどの軍事的勝利をおさめた。この時になって中国は、数度の警告を国連に出した後、軍事介入を行ったのである。その結果、朝鮮戦争は膠着状態に陥った。
その後の数十年間の米中関係は冷え切ったものであり、アメリカは共産党政権を認めず、台湾の国民党政府を支持した。1970年代にワシントンと北京が外交交渉をはじめた背景には、増強するソビエトの国力を中国政府が脅威ととらえた事実があった。ニクソンは中華民国(台湾)への外交支援を停止、1971年、国連は中華人民共和国(中国)の加盟を認め、中華民国を追放する決議を可決した。同時にアメリカは、中国の台湾に対するいかなる軍事力の行使に反対する、と表明した。
1989年の天安門事件までの二十年間、アメリカと中国の軍事・経済関係は発展した。冷戦構造の消滅によって、アメリカにとっての中国の戦略的地位は落ちたが、依然経済関係は強く、中国は世界史でもまれに見る経済発展を遂げた。
台湾海峡ミサイル危機
1996年、台湾で活発になった独立運動に対し、中国は恫喝で対抗した。台湾総統選挙における独立派候補の李登輝を牽制するため、基隆沖海域にミサイルを撃ち込んで威嚇行為を行った。これに対するアメリカの反応は原子力空母ニミッツを含む二隻の空母の派遣だった。中国は軍事演習を中止せざるを得なくなり、威嚇は失敗に終わった。
2001年9月11日のWTC攻撃は、世界状況を根本的に変えた。アメリカはテロリズムへの戦争を仕掛けたが、イラクでの軍事的失敗は、アメリカの軍事的・政治的能力を疑わしめる結果となった。一方、中国は、その拡大し続ける経済を支えるため、中東とのシーレーンの維持に多大な関心を持っている。
Red Dragon Rising: The Coming
War with China
付録ゲーム「Red Dragon Rising」は、次の三つの仮定から成り立っている。
第一に、中国は侵略者であること。政治的に正しく言うなら彼らは修正主義者であり、西太平洋における現状をひっくりかえそうとしている。
第二に、戦争は不可避的に台湾から始まる。この島は、東アジアの覇権を獲得する上で北京が最初に無力化しなければならない戦略ブロックである。
第三に、戦争は核攻撃から始まらない。しかし、核戦争の危機を招くエスカレーションはありえないことではない。
(ルールの日本語訳が存在するようです。)
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