US Invades Japan!
#230 August 2005

Downfall作戦

1945年8月6日、広島に原子爆弾を投下したB-29「エノラゲイ」は世界で最も有名な爆撃機となった。

広島市のもっとも人口が密集した地域の上空1,900フィートで炸裂した爆発はTNT火薬20,000トンに匹敵するもので、市の建造物の80%が倒壊し、7万人の日本人が直ちに死亡した。そして3日後、長崎に飛来したB-29「ボックスカー」が落とした原子爆弾は13000人以上の日本人を殺した。

長崎の損害は、同年3月9〜10日にかけて行なわれた東京への焼夷爆弾攻撃に次ぐものであり、8月14日、日本は連合軍に無条件降伏をした。原子爆弾の投下は、日本の都市および工業地帯に対するアメリカの集中的な戦略爆撃キャンペーンの終りだった。

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勝利者は誰か? ストーンズ川の戦い、1862年

ローズクランス将軍率いる北軍西部方面部隊がB・ブラッグ率いる南軍と衝突したマーフリーズボロのストーンズ川の戦いを図解で解説。
写真は南軍の司令官B.ブラッグ。

付録ゲーム: Downfall作戦

コードネーム「Downfall作戦」は、九州上陸のオリンピック作戦と、その後に予定されていた関東上陸のコロネット作戦から成る、史上最大規模の日本列島への上陸計画だった。
そのうちのオリンピック作戦をシミュレート。

日本語ルールはこちら

ドイツ最高司令部のインドにおける日本との連携計画

ヒトラーは地球規模の戦略プランは持っていなかった。
彼の戦略は、地政学者カール・ハウスホッファを承継するもので、経済封鎖に対して不滅の帝国を、東ヨーロッパから南ロシアにかけて作ることだった。新帝国は、その規模からヨーロッパを支配するものであり、同じ発想からイタリアは地中海、アフリカ、中東を、日本はアジア全域を支配しようとした。理論上、残りの地域の国々は、これら枢軸国を協賛する立場になる。
ヒトラーは他の枢軸国やアメリカとの衝突を予想していたが、それが起きるのは次のドイツの世代になってからであり、十分な時間があるはずだった。

新ドイツ帝国建設の前に立ちはだかったのはソビエト連邦だった。ヒトラーは常にソビエトとの対決を考えていたが、イギリスと戦争する予定はなかった。彼は大英帝国の覇権を羨望のまなざしで見ており、1939年9月にロンドンから受けた宣戦布告は好ましいものではなかった。

二方面展開を避けるため、ソビエトを攻撃する前にフランスを叩くことは軍事戦略上不可欠だった。1940年のフランスに対する電撃的な勝利は、第一次大戦の借りを返すものでドイツ国民から賞賛され、ヒトラーは絶頂期にあった。
現在から見れば興味深い事実だが、ドイツ軍のヨーロッパ各国進攻は、短期的な戦術的計算によって行なわれたのである。

(以下略)

過去のS&T

50号前#180
Reinforce the Right

付録ゲームはJoseph Mirandaによる1914年の第一次大戦。Bill Reese少佐によるシュリーフェンプランの分析。Kevin CroninとTim Kuttaによる1941年と1991年のイラクに対する空軍作戦。

100号前#130
Tsushima

日露戦争の全貌を描くゲームをJack GreeneとDave Fuller。日出る国がロシアの熊に戦争を挑み、勝った。Al NofiがFYIコラムで軍事トリビア。

150号前#80
Wilson's Creek

1861年の南北戦争を描いたWilson's Creekが付録ゲーム。Stephen B. Patrickによる中世の帝国。ソビエト軍の作戦展開と戦闘における睡眠の減少。

200号前#30
Combat Command

アバロンヒルにPanzerBlitzを売った後にJim Dunniganが作った中隊レベルの小PanzerBlitz、Combat Commandは1944年のベルギーとフランスを舞台にしている。G. Ferraioloによる第二次大戦のアメリカ陸軍の編成、Al Nofi、W.F. Rusiello、L.J. Albertによる1777年のサラトガの戦役。、John Young、R. Champer、Al Nofiによる太平洋戦争の大シミュレーション。Victor Madejが電撃戦の分析。その他、本とゲームのレビュー。

 

S&T 予告

S&T#231の付録ゲームはアメリカ独立へのきっかけとなったフレンチインディアン戦争。18世紀の北アメリカ大陸でイギリスとフランスが覇権をめぐって戦う。
その他、バルジ作戦の空軍作戦、レニングラードの反攻、Kolweziの捕虜救出、ワルシャワ・ゲットーの蜂起、の記事を予定。