The French & Indian War
#231 September 2005


フレンチインディアン戦争 1754 - 60

17世紀、イギリスとフランスは北アメリカ大陸の主要な部分をそれぞれ植民地化していたが、7年戦争やイギリス内戦で忙しく、植民地経営によって得られた利益は少なかった。しかし17世紀の終わりから18世紀中ごろまでのウイリアム王戦争(1689-97)、スペイン継承戦争(アン女王の戦争、1701-1714)、オーストリア継承戦争(1744-48)を経て、北アメリカの英仏領もまた対立するようになった。

付録ゲーム: フレンチインディアン戦争

結果的にアメリカ独立への道を開いたフレンチインディアン戦争を描くこのゲームは、18世紀の北アメリカ大陸でイギリスとフランスが覇権をめぐって戦うキャンペーンスケール。
システムはAsia Crossroadsを流用している。

 


ワルシャワ 1943: ゲットー蜂起

<my comment>
蜂起の中心となったのは当時24才のユダヤ人青年Mordechai Anielweizだった。ワルシャワの貧困層で育った彼はケンカに明け暮れる日々を過ごし、拳には無数の傷があった。高校を卒業すると同時にシオニスト運動に加わった彼は、ドイツ軍がポーランドに侵攻する前から地下組織 ha-Shomer ha-Tsa'irに加わり、ユダヤ人の脱出ルートを作るためポーランド国内外を出入りしていた。

1942年に彼がワルシャワのゲットーに戻った時、ゲットーに350,000人いたユダヤ人は60,000人に減っていた。Anielweizはガールフレンドと共にゲットー内の反抗集団を組織化、1942年10月には約700名のZOB (Jewish Fighting Organization)の指揮官に選ばれた。

蜂起は1943年1月18日ドイツ軍が二度目の「移送」命令を発した時に始まり、抵抗戦は5月9日まで続いた。ゲットー内のほんの一握りの人々は脱出に成功したが、Anielweizを含む45,000名のユダヤ人は殺害されるか移送され、ドイツ軍側には300名の死者と1,000名の負傷者が出た。

ゲットー蜂起は、イスラエルの歴史の中で、マサダ砦のローマ帝国反抗以来の為政者への反乱と位置づけられ、5月8日はMordechai Anielweizの命日として多くのユダヤ人によって記憶されている。

UPDATE: フランスの地球規模派兵

フランスは、その軍事力によって21世紀においても国際紛争に大きな影響力を持っている。常任理事国の一員であるフランスは、世界中の陸、海、空に強い力を及ぼすことのできる数少ない国のひとつなのである。フランスの軍事力の基礎は、中東への派兵の基地となりえるアフリカ大陸に置かれた基地と、陸海空の三分野における兵器の卓越した技術である。

おそらく、この十年間の中でのもっとも大きな変化は、1996年にシラク大統領が発した徴兵制の廃止であろう。フランス陸軍はまた、編成を師団単位から旅団単位に変更し、世界の地域紛争に迅速に対応できるようにした。

フランス軍の規模は2004年7月の時点で、陸軍132000名、海軍42000名、空軍64000名であり、その中で34000名が、象牙海岸、コソボ、アフガニスタン、チャド、ボスニアヘルツェゴビナ、中央アフリカ共和国、ブルンジ共和国、コンゴ共和国、エチオピア、ジョージア、イスラエル、レバノン、リベリア、マケドニア、シナイ半島、西サハラ、カリブ諸島、南インド、太平洋諸島に駐留している。

計算されたリスク: コルウェジ救出作戦

コルヴェジ(Kolwezi)は、ザイール(旧ベルギー領、旧国名・コンゴ民主共和国)の南東部に位置するカタンガ州(シャバ州)の都市であり、同州は天然資源の宝庫だった。

1978年5月、アンゴラ国内に拠点を置くカタンガ独立派(FNLC:コンゴ開放民族戦線とも言われる)の「Tiger」部隊がザイール国境に侵入すると、それは米、仏、ベルギーを巻き込んだ国際紛争(第二次シャバ紛争)に発展した。

○特集記事はこちら--->

続刊予告

#233 Dagger Thrusts
マーケットガーデン作戦が実行されなかった時の、パットンのドイツ侵攻プランをシュミレーション。

#234 Last Darkness Fall:
紀元235〜285年のローマ帝国と周辺国すべてとの戦争。

#235 Cold War Battles:
1956年ブタペストと1987年アンゴラの市街戦。

#236 They Died With Their Boots on 1:
1876年のリトルビッグホーンの戦いと1775年ケベックの戦い。

#237 No Prisoners!
1915〜18年のアラビアのロレンスとアレンビー将軍。

過去のS&T

50号前#181
Fall of Rome

Joseph Mirandaがローマ帝国対蛮族のソロゲームをアップデート。David Segalによるアメリカ陸軍建軍の歴史。Wilbur Grayがアウステルリッツの指揮指令の研究。三帝の戦争をチェコ在住のJessica Maertin。

150号前#81
Tito

Joe BalkoskiとR. Rustinによるユーゴスラビアのパルチザンの戦いを描いたTito。S&T誌の中でもっとも型破りなゲームのひとつだが、ゲームシステムはその後のゲリラ戦ゲームに大きな影響を与えた。Redmond Simonsenはゲリラ戦の政治および経済的側面をグラフィカルなマップにした。その他、Austin Bayの化学戦など。

200号前#31
Flying Circus

Jim Dunniganによる第一次大戦の空中戦。西部戦線の空を単葉、複葉、三葉機が一騎打ち。John Govostesの普仏戦争、Rid Walkerのディプロマシーの戦略の記事など。

 

S&T 予告

S&T#232の付録ゲームは、18世紀のロシア女帝・エカテリーナ2世と周辺国との争いを描いたソロゲーム「Catherine the Great」。
その他、ヨーロッパにおけるアメリカ空軍の歴史、ローデシア内戦、アメリカ独立戦争におけるスペイン軍の勝利、の記事を予定。