1918:
ドイツ軍 最後の大攻勢
#223 Summer 2004

1918: ドイツ軍 最後の大攻勢

1917年12月、塹壕線による双方の膠着状態は3年目を過ぎようとしていた。 (大きな変化は、双方大きな犠牲を出しながらも、ドイツ・ベルギー国境そばのArrasからのドイツ軍の自主撤退ぐらいしかなかった)。
ルーデンドルフ参謀次長以下のドイツ参謀は、「St.George」「Michel」「Mars」「Achilles(Blucher)」「Castor」「Pollux」の6つの作戦から成る、ベルギー・フランス国境での大攻勢を立案、そして1918年3月、ドイツ軍は戦いの火蓋を切ったのである。ドイツ参謀が考案した新戦術「浸透戦術(Infiltration Tactics)」によって、英仏の防衛線は次々と破られ、ドイツ第7軍は、パリまで80kmの地点に迫る。
S&T223号の特集は、その大攻勢がどのようなプランであったかを解説し、なぜ、英仏連合軍が勝利したかを検証する。付録ゲームは、もちろんこの戦いをシュミレート。


万里の長城みたいなのは塹壕線

ナボレオンが去ったエジプト: 1799-1801
1798年、五万の軍隊を率いてエジプトに侵攻したナポレオンは、上陸からわずか3週間でエジプトを征服した。しかし、Ottoman帝国と地元住民が激しく抗戦、翌年8月、ナポレオンは少数の側近とともにひそかにエジプトを脱出し、あとには補給を絶たれた兵士が残った。その後の二年間の戦いについて、Coley E. Cowan氏が解説。
(『ヤッファのペスト患者を見舞うナポレオン』[右])
秀吉の朝鮮出兵
1592〜58年、二度にわたって行われた朝鮮出兵を、軍事的観点から分析。第一次(文禄)第二次(慶長)の目的の違い、1950年の朝鮮戦争との地勢的比較など。
過去のS&T
50号前#173
「30年戦争」

1618〜48年における30年戦争が付録ゲーム。その他、ベトナム戦争におけるAirmobile、アメリカ独立戦争の記事。

150号前#73
「Panzer Battles」

機甲部隊の戦闘を扱った戦術級のゲームは、その後のトレンドを作った。特集記事はDave Isby氏の機甲戦術とモンゴル。

200号前#23
「T-34」

付録ゲームは、ミニチュアゲーム用のルールである。この号からJim Dunnigan氏の東部戦線の分析が始まる。Al Nofi氏は、北アフリカ戦線の作戦解説の続き。その他、「ディプロマシー」などのゲームレビュー。
S&T 予告

#228号「The Old Contemptibles」
Monsにおける1914年の戦闘。ベルギーの連合軍を掃討するドイツ軍に対峙したイギリス軍の戦いを、機動力と正面戦闘が可能だった第一次大戦開始時の性質を再現するルールで。Ron Bell氏がデザイナー。

「Cold War Battles」
Jhoseph Miranda氏のコメント、「ブタペストの旅行から戻ったばかりだ。現地では他の用事といっしょに、ゲームマップが正しいかどうか調べてきた。「プタペスト1956」は、ハンガリー動乱を描いたゲームで、冷戦最盛期における、ドナウ川沿いの、ドア - ツー - ドアの戦闘がテーマである。同じ号には「Blitzkrieg Angola」が掲載予定で、1987〜88年の、Modular、Hooper、Packer作戦などの、アンゴラ、キューバ、南アフリカの機甲部隊の戦闘ゲーム。いずれのゲームも、大隊レベル、砲兵、空軍力、特殊部隊などのユニットで再現する。」

「Lest Darkeness Fall: Rome in Crisis, AD 211-275」
3世紀におけるローマ帝国の戦争、反乱、侵略を比較的難易度の低いルールで再現。ローマ皇帝のプレイヤーは、帝位に対する脅威と、諸外国との争いの両方に注意しなければならない。勝利への道は厳しい。

「Catherine the Great」
プレイャーは、1762〜96年のロシア皇帝、エカテリーナ2世を演ずる。 ソロゲームで、スエーデン、ポーランド、オスマン帝国などと戦い、国を治める。資源を集め、軍を編成し、外交によってバランスをとらなければならない。