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The Old Contemptibles
ゲームレビュー
オーバービュー
「The Old Contemptibles」は、第一次大戦のドイツとイギリスの最初の戦闘を描いた作戦級ゲームで、マップ北端から侵攻する ドイツ軍プレイヤーが、イギリス遠征軍ユニットを撃破しながら戦略目的地のヘックスを目指します。
イギリス遠征軍プレイヤーはドイツ軍の侵攻を妨害しながら、できるだけたくさんのユニットを無傷で盤外に脱出させることを目標とします。 ドイツ軍が勝利条件を満たすことができない時、イギリス軍の勝利です。
ゲームスケール
1ヘックス2マイル(3キロ)、1ターン二時間のゲームスケールで2日間の戦いを表現。ドイツ軍のユニットは連隊規模(4000名の兵士と36門のキャノン砲)、イギリス軍は大隊規模(2000名の兵士と24門のキャノン砲)です。ユニットの消耗はステップロス方式で、ほとんどのユニットは二段階のステップロスを経て除去されます。
コメント
S&T#223の「1918」とはまったく異なるルールです。戦争最初期であるため、双方十分な物資があるという前提から、補給や増援ルールがありません。
イギリス遠征軍の初期配置はルールで指定されており、北部の都市や運河周辺に配置します。ドイツ軍は、ターン1からマップの北部のヘックスから南下します。
興味深いのは、ゲームの中盤で勝利条件が変わることです。すなわち、ドイツ軍は7ターンまでに勝利条件の都市(Conde Canal)を占拠すればその時点で勝利となりますが、7ターンまでに勝利できない時、ドイツ軍の勝利条件は、
のいずれか2つの条件を14ターン(ゲーム終了)までに満たすことに突如変わります。この勝利条件の変更は、言うまでもなく双方の作戦を大きく変化させます。この二重の勝利条件によって、イギリス軍プレイヤーは7ターン目までは南下するドイツ軍に対して一歩も退かずに闘わなければならない一方、7ターンまで見事Conde Canalを守りきった場合、8ターン目からは一目散に戦場から離脱してBavaiを守らなければならないのです。
総司令官の気分の変化を巧みにルール化?
リデルハートの「第一次大戦」ならびにS&T#228の囲み記事によれば、イギリス遠征軍の総司令官フレンチ卿は軍団規模の指揮に不慣れで、戦略的にも不定見であったとされています(その後、多大な犠牲がイギリス遠征軍に出たため、フレンチ卿は1915年12月に更迭されている)。勝利条件が途中から変わるこのゲームの視点は、心変わりする総司令官の元で、敵側のウイルヘルム二世ですら感嘆した指揮をモンスで行った遠征軍第二軍の指揮官Lockwood
Smith-Dorrien卿なのかもしれません。